繊維性筋痛症
- 2020年10月08日
- カテゴリー:未分類
線維筋痛症は、3ヶ月以上の長期にわたって、身体の広い範囲に痛みが出没し、身体の強いこわばりとともに、激しい疲労感、不眠、頭痛やうつ気分など多彩な症状を伴いますが、病気の原因はまだよくわかっていません。通常、さまざまな検査を行っても、特別な異常がみられないことから、わが国では線維筋痛症の診断が遅れることがあり、命にかかわる病気ではありません。現在のところ線維筋痛症を完治させる治療法がなかなかないため、日常生活への影響が大きく、しばしば社会生活が著しく困難となることが大きな問題となります。
残念ながら線維筋痛症がどうして起こるかは解っていません。しかし、線維筋痛症の痛みは、痛みのある部位に原因があるのではなく、痛みを脳に伝える神経や痛みのシステムに問題のあるとされています。最近日本人により、脳内で痛みの神経に炎症が発生しているためであることが解ってきました。
残念ながら、線維筋痛症の原因が解っていなので、線維筋痛症の診断を受け入れ、病気に対する正しい理解を持つことが重要です。その上で、線維筋痛症の中心症状である広範囲かつ激しい痛みを和らげ、日常生活に影響のない程度までコントロールすることです。痛みが軽減することにより、日常生活動作も改善し、線維筋痛症が終息することが期待できます。また、発病から早期に治療が行われた場合、若年者の線維筋痛症では、比較的治療がよいとされています。
治療には、薬物療法と非薬物療法があります。
薬物療法として、
1)神経障害性疼痛に有効なリリカ
2)抗うつ薬に分類されるサインバルタ、トリプタノール
3)弱オピオイド系のトラマール、トラムセット、ノルスパンテープ
一般的な鎮痛薬であるロキソニン、ボルタレンなどや副腎皮質ステロイドホルモンは有効ではありません。線維筋痛症の薬物療法は痛みの完全な消失は困難であり、痛みを和らげることである認識が重要です。
非薬物療法には、運動療法として、段階的有酸素運動、レジスタンス運動、瞑想運動(ヨガ、太極拳、気功)などがあり、患者さん自身が行えるものとして、アイソメトリックヨガや温熱療法、和音療法などがあります。一方、精神療法・心理療法として認知行動療法が有効であるとされています。わが国では痛みに対する鍼灸治療がしばしば行われています。担当医と相談の上、線維筋痛症に詳しい鍼灸師による施術が必要です。 若年性線維筋痛症では環境調整のために一定期間の入院措置の有効性も示されています。